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〜 Interviews & Talks 〜 『 音楽の友 』 2002年3月号 |



次の記事は2002年4月29日のリサイタルを前にして紹介されたものです。
エフゲニー・ザラフィアンツの弾くラフマニノフやショパンは、濃厚な感情と幻想的な詩性をもって移ろう。音に対する研ぎ澄まされた感覚は、同じく得意とするスクリャービンでも秘められた輝きを放っている。独特の個性でイマジネーションを即興的に開いていく。ALMやナクソスから発表されたCDを聴いての話しだが、ライヴはもっと鮮烈だろう。「作品との間には、不思議な、秘められた親密さという精神的な繋がりがあります。ラフマニノフとスクリャービンは、私にとって非常に大切な作曲家ですが、とても対照的です。ラフマニノフの音楽には彼自身の悲劇や人生が映し出されているし、スクリャービンにはよく言われる神秘的な志向だけでなく、とくに初期にはロシア貴族の磨かれた感覚がある。共通しているのは、美の秘密とポエジー、そして洗練されたエロティシズムでしょう。」 1959年にロシアの音楽一家に生まれる。父の考えでまず合唱のなかで歌い、6歳からピアノを学んだ。1985年全ロシア・コンクールで第3位。1993年にイーヴォ・ポゴレリッチ国際コンクールで第2位となり、国際的な注目を集めた。1997年以降度々来日して各地で熱心に迎えられ、紀尾井ホールでの本格的デビュー・リサイタエルもこの春に予定されている。 「コンサートで新しい何かが開かれるということはよくあります。それは夢のようなもので、次の朝になったらもう、どうしてそうなっていたのかわからない。突然に音楽のある1ヶ所に新しい意味が感じられるのです。いつも余計なものを払い落とした新鮮な目で楽曲をみて演奏したい。曲に純粋に向き合うならば、それは必ず人々に響くはずで。」 寡黙でシャイな人らしく、言葉を継ぐザラフィアンツはとても静かな佇まいをしている。音楽にも人生にも変化と新鮮さが必要だ、と語る彼は、他人の演奏をほとんど聴かない。信じるのは彼自身の内的な欲求だけだという。 「考えや思想も大事だけれど、次の日にはどうなってしまうかわからない。自分の内なる声はどんなときでも聴こえている。」
取材・文=青澤隆明
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